表紙胎内記

胎内記(抜粋)

(前略)

今日のメインイベントは、午後4時から始まった。さすが天文、メインイベントの始まる時刻が違う。 もちろん、これから夜を迎えてさらに活気づくのである。メインイベントの始まりは1回目のオークションである。 もちろん、司会はこゑん師匠。「1回目」というのは、24時ごろに2回目のオークションがあったからだ。 このオークションはただのオークションではない。 「これは『逆オークション』か?」と疑いたくなるような値段で品物が競り落とされていくのだ。 どの位すごいのかと言うと、品物の売値よりおまけのフィルムの方が高いぐらいの値段で売れるのだ。 他にも望遠鏡が10000円位で売れたり(古い型ではあったが)、 出品された望遠鏡についているアイピース(接眼レンズ)が競り値の半分以上の値段がするものだったり、 買値が安すぎて司会が売るのを認めない事も結構あった。

また、新潟の銘酒も出品されていた。かなりいろんな物が出品されていたが、 驚くべきは『天文ガイド』という雑誌の編集室にあったPC−98が出品されていた事だ。 そんな物もオークションに出すのか、と唖然とした。競り値の争いも見られ、見ているだけでも結構楽しめた。 2回目のオークションでは1回目の売れ残しも再び出品され(『天文ガイド』編集部のPC−98も例外ではない)、 かなり盛り上がっていた。このオークションは天文ファンなら絶対逃せない。

(「胎内記」より)